もっと知りたい - 放棄する方法はあるの 2025.02.11

「空き家を差し上げます」の前に検討するべき選択肢|売却のコツを解説

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空き家を無料で譲渡前に、検討するべき選択肢はいくつか存在します。というのも、空き家を無償譲渡するのはメリットよりもデメリットの方が大きいからです。

そのため、空き家は無料で譲渡するのではなく、まずは売却や国庫帰属といった制度を検討することが一般的です。

この記事では空き家を無料で譲渡前に検討するべき選択肢や、無償譲渡するメリット・デメリットについて解説します。

空き家を無償譲渡する前に検討すべき選択肢

空き家を無償譲渡する前に、検討するべき選択肢は次の2つです。

専門の不動産会社に相談して売却活動を行う

空き家を無償譲渡する前に、一度専門の不動産会社に相談して売却活動を行いましょう。また、一度不動産会社に相談して売れなかった場合も、別の不動産仲介業者に相談するのをおすすめします。

というのも、不動産会社によって買い手の繋がりが異なり、他の不動産会社に相談することで買い手が見つかる可能性があるからです。

加えて、無償で空き家を譲渡すると贈与税が発生したり、相続の際にトラブルになる可能性があります。

したがって、無償譲渡は最終手段として、まずは売却活動に注力してみましょう。

弊社「はればれ商店」では大手不動産会社や地域密着型不動産会社と連携しており、スムーズに売却を進められますので、気軽にお問い合わせください。

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相続の場合は相続土地国庫帰属制度を利用する

空き家を相続した場合は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。「相続土地国庫帰属制度」とは、相続によって不動産を所有することになった場合に、国にその不動産を返還できる制度です。

相続土地国庫帰属制度を利用すれば、不要な不動産を手放せるので、固定資産税や管理費などを負担し続ける必要はなくなります。

しかし、国に帰属する際は一定の負担金がかかる点に注意しなければいけません。無償譲渡では、後述するようにデメリットが多いので、売却がどうしてもできない場合は相続土地国庫帰属制度を利用しましょう。

要件や制度の詳細は、法務省「相続土地国庫帰属制度について」で確認できます。

空き家を無料で譲渡するメリット・デメリット

空き家の無償譲渡は一般的にメリットよりも、デメリットの方が大きいためまずは売却するのがおすすめです。

しかし、どうしても売却できなかった場合は、無償譲渡のメリットとデメリットを把握してどのように対処するのかを考えましょう。

空き家を無料で譲渡するメリット

空き家を無料で譲渡するメリットは、次の2つです。

地域活性化に貢献できる

不要な空き家とその土地を自治体やNPO法人に無償で譲渡すれば、地域活性化に貢献できます。というのも、譲渡した土地や空き家を有効に活用してくれるからです。

例えば、土地の規模が大きければ、観光客の宿泊施設として活用することもできます。土地が小さくても民泊としても活用できるでしょう。

このように、空き家を有効活用できる余地があれば、自治体やNPO法人などに譲渡すれば、地域活性化に貢献できます。

固定費を払わなくてよくなる

空き家を無償で譲渡することができれば、固定資産税や管理費などの支出がなくなります。

もし空き家を所有し続けると、固定資産税や管理費などを出費し続けなければいけません。特に管理を全くせずに放置すると、害虫や害獣などの被害が近隣住民に及ぶ可能性があります。

近隣住民に被害が及んだ場合は、損害賠償請求をされる可能性があるため一定の管理費は必要です。

その点、空き家を早々に手放すことができれば、経済的な支出がなくなるだけではなく、管理する必要もなくなるので、不要であれば早めに手放した方が良いでしょう。

空き家を無料で譲渡するデメリット

空き家を無料で譲渡するデメリットは、次の2つです。

贈与税が発生するケースがある

空き家を無償譲渡すると、貰い手に贈与税が課税される可能性があります。売却の場合は売主が税金を払うのに対し、譲渡の場合は貰い手が税金を払わないといけません。

そのため、条件が悪く有効活用できない空き家は、貰い手に譲渡税が発生する可能性があるため、貰い手が見つからず無償譲渡できない可能性が高いです。

なお、贈与税が発生するのは譲渡した空き家と土地の固定資産税評価額が110万円以上の場合に限ります。詳しくは国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」にて確認できます。

相続でトラブルになる可能性がある

相続で得た空き家を他の相続人に無償で譲渡する際は、相続人の間でトラブルに発展することがあるので注意が必要です。

もし相続人全員に相談することなく、一人の相続人だけに無料で譲渡すると、他の相続人は不平等だと感じるでしょう。

その結果、相続人間でトラブルになる可能性があるため、他の相続人に空き家を譲渡する場合は、相続人全員が納得するように話し合いの場を設けるようにしましょう。

空き家は早めに手放さないと「特定空き家」になる

「特定空き家」とは、放置期間が長く不法投棄の場所として利用されていたり、景観をひどく損ねる場合に国から認定された空き家を指します。

「特定空き家」に指定されると様々なデメリットがあるため、管理することができないのであれば早めに手放しましょう。

特定空き家になると固定資産税が最大6倍に

特定空き家に指定されると、固定資産税が最大で6倍になる可能性があります。というのも、住宅用地特例が適用されないからです。

住宅用地特例の税率は、以下のように定められており、固定資産税だけではなく都市計画税の税率も高くなる可能性があります。

出典:大阪市「住宅用地の課税標準の特例措置

したがって、空き家を放置することで経済的な負担が大きくなってしまうため、管理がままならない場合は売却もしくは無償譲渡をして早めに手放しましょう。

特定空き家に指定され固定資産税が上がる流れや、空き家等対策特別措置法による行政代執行については下記で詳しく解説しています。

»空き家の固定資産税はいつから6倍に?管理不全空き家の詳細も解説

特定空き家になる条件について

特定空き家に指定される条件は、以下の通りです。

(イ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

(ロ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

(ハ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

(ニ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

https://www.mlit.go.jp/common/001090470.pdf

これらの条件に該当しないためには空き家を適切に管理し、安全性や景観の維持を担保しておくことが重要です。

空き家の無償譲渡でよくある疑問

最後に空き家の無償譲渡について、よくある疑問について解説します。

売れない空き家を手放す方法は?

もしどうしても空き家が売れない場合は、以下の選択肢があります。

  • 自治体やNPO法人に寄付
  • 相続土地国庫帰属制度を利用(相続で所有した場合)

しかし、自治体に寄付する際は有効活用できる余地がないと、引き取ってくれません。なぜなら、自治体が土地を引き取ると固定資産税による税収が減ってしまうからです。加えて、管理費用もかかるので引き取りを躊躇する傾向にあります。

また、相続によって空き家を所有することになった場合には、相続土地国庫帰属制度を利用できる可能性があります。

»参考:法務省「相続土地国庫帰属制度について

空き家が無料で譲渡される理由は?

空き家が無料で譲渡されている理由は、所有し続けるだけで固定資産税や都市計画税、管理費など経済的な負担が大きいからです。そのため「無料でもいいから早く手放したい」と考える方が多いです。

しかし、無償譲渡でも貰い手を見つけるのは難しいため、まずは売却を念頭に不動産会社と連携して、たくさんの人と交渉するのが良いでしょう。

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空き家を無償した譲渡の事例はある?

下記の事例の無償譲渡された空き家は、北海道札幌市にある築60年の空き家です。

»参考:YouTube「空き家を「0円」で譲渡 人気のジューススタンドになる例も

重機が通る幅が狭いため相場よりも改築費用がかかり、解体費用も2倍以上かかります。しかし、立地が良く不動産会社が倉庫として活用できると考えたため無償で引き受けました。

このように空き家の立地によっては、老朽化が進んで改修工事が必要であっても、無料であれば貰い手が見つかるケースも多いです。

つまり、空き家を手放すには需要と供給が合う人を見つける必要があるので、無償譲渡するとしてもまずは不動産会社に相談して対応しましょう。

»お問い合わせはこちらから

まとめ

空き家を無料で譲渡すると固定費を払い続ける必要がなくなり、地域活性化にも貢献できます。しかし、空き家を譲渡すると貰い手に贈与税が発生したり、他の相続人に譲渡する場合は相続人間のトラブルになるといったデメリットも存在します。

そのため、不要な空き家を所有することになれば、まずは売却を検討するのがおすすめです。特に一度売却を試みたものの、売れなかった場合は様々な不動産会社と連携している仲介会社に相談しましょう。

弊社では大手不動産会社だけではなく、地域密着型不動産会社や各種金融機関と連携して売却を進めてまいります。空き家の簡易査定も行っているので、お気軽にお問い合わせください。

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