解決したい - 離婚や人間関係のよくある問題 2024.03.25

共有名義の固定資産税は誰が払う?払わない人が出た場合の対処法も紹介

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不動産を所有しているなら支払う必要がある固定資産税ですが、共有名義の場合は誰が払えば良いのでしょうか。

また払わない人が出てきた時の対処法など、意外と知らない方は多いでしょう。

この記事では共有名義不動産による固定資産税の扱い方、よくあるトラブル例とその対処法まですべて解説します。

共有名義不動産の固定資産税は誰が払う?

そもそも固定資産税は、共有者全員で負担します。

その上で、まずは代表者が代理で支払うことが一般的です。

固定資産税は代表者がまとめて支払う

基本的には、代表者1人に「納税通知書」が届きます。

そして代表者は納税通知書に従い、指定された税金額を納める必要があります。

他の共有者にも連帯納税義務がありますので、他の共有者も支払わなくてはなりません。

なお固定資産税は市区町村が管理しており、共有者ごとに支払える地域もありますが珍しいケースにはなりますので、基本的には代表者1人が支払うと認識しておきましょう。詳細は物件が属する自治体にご確認ください。

代表者の選定基準(根拠)とは

そもそも代表者の選定基準ですが、自治体に代表者の届出をすることで決定されます。届出をしない場合、下記の基準で代表者が決定される場合があります。

  • 居住している人
  • 持分割合が多い人
  • 登記簿の記載順

一例として、知多市の代表者選定の優先順位を見てみましょう。

知多市では、納税通知書を送付する代表者の選定について、特に指定が無い場合は、おおむね次の優先順により代表者を決定しています。

  • 所有権異動前の代表者が引き続き所有する場合はその方
  • 物件地の在住の方
  • 知多市に住民登録をしている方
  • 持分が多い方(市内同士・市外同士)
  • 登録順位が早い方
  • 新規の共有構成員の場合、市内住民を優先しています。

https://www.city.chita.lg.jp/docs/2021111600017/

上記のように、自治体が基準を明文化しているケースもありますので、自身が所属する自治体がどのように決定しているか確認しても良いでしょう。

代表者が滞納した場合は共有者に請求される

代表者が納税することが一般的と説明しましたが、もし代表者が支払いをしなかった場合はどうなるのでしょうか。

結論として、他の共有者に納税に関する請求が行われます。

共有持分を保有し共有者である以上、それぞれに連帯納税義務があります。

自治体はあくまで、分かりやすいように代表者から税金を徴収しているだけですので、滞納が確認された場合は共有者に請求される仕組みとなっているわけです。

それすらも滞納した場合は、延滞金の支払いや差し押さえ等もありますので注意しましょう。

共有者が固定資産税を払わないトラブル例と対処について

ではここから、固定資産税に関するトラブル例と対処法について紹介します。ご自身が同じ場面に遭遇した際に適切に対応できるよう、それぞれの概要を把握することをおすすめします。

  • 共有者が理由なく払わない場合
  • 共有者が死亡により払えない場合
  • 共有者と音信不通で払われない場合
  • 共有者が認知症であり払われない場合
  • 共有者が持分放棄を行い払わない場合

共有者が理由なく払わない場合

紹介する5つの事例の中では、最も起きやすい事例です。

共有者が理由なく払わない場合は、結果としてはまず代理で支払いを済ませることが一般的になります。その後、立て替えたお金を請求できる「求償権」を行使して、金額の請求を行います。

また求償権は立て替えることによって得られる権利ですので、仮に代表者が支払わない場合はきっちりと立て替えて支払いをしておきましょう。固定資産税の支払いを怠った場合、延滞金の発生など、そもそも払う必要がなかった請求も生じますので注意が必要です。

なお求償権を得れば、仮に相手が請求に応じない場合でも訴訟を起こし財産を差し押さえることも可能になります。

共有者が死亡により払えない場合

共有者が死亡していた場合、一般的に共有者の持分は法定相続人に相続されています。そのため固定資産税の支払い義務は、その相続人が負っていると判断します。

ですので相続人に連絡を取り、固定資産税の支払いが必要な旨を伝えたうえで、相続人に支払ってもらうことが主な流れとなるでしょう。

なお相続人を知るには、戸籍謄本や除籍謄本で相続人調査を行う必要があります。

共有者と音信不通で払われない場合

共有者と連絡が取れず、音信不通である場合は不在者財産管理人を選任して、管理人に固定資産税の立て替え分を請求する形が一般的です。

選任された不在者財産管理人は,不在者の財産を管理,保存するほか,家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で,不在者に代わって,遺産分割,不動産の売却等を行うことができます。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_05/index.html

ただ「音信不通」というのは、手紙等を送付しても宛先不明で返送されるなど、本当に所在が掴めない状態を指します。単に連絡を拒否されている状態では音信不通と認識されません。

また不在者財産管理人の選任は裁判所が絡むこともあり、申請1つで終わる単純なものではありません。さらに音信不通となった共有者に支払い能力がない場合は支払われない可能性もあるため、今後もふまえて「共有名義の解消」も検討すべきでしょう。

共有者が認知症であり払われない場合

共有者が認知症である場合、「成年後見人」を選任する必要があります。

成年後見人等は、ご本人の生活・医療・介護・福祉など、身のまわりの事柄にも目を配りながらご本人を保護・支援します。具体的には、ご本人の不動産や預貯金等の財産を管理したり、ご本人の希望や身体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。
https://guardianship.mhlw.go.jp/guardian/election/

成年後見人を選任して、その人を通じて固定資産税の負担額を払ってもらう流れとなります。また認知症の状態により、「任意後見制度」と「法定後見制度」のどちらかを選べます。

判断力があるうちなら、「任意後見制度」により自身で成年後見人を選び、その方に代行してもらえます。

ただ判断力が失われている場合は、「法定後見制度」により家庭裁判所が成年後見人を決定します。ここでは親族ではなく弁護士などが選ばれるケースもあり、その時の状態次第です。

共有者が持分放棄を行い払わない場合

共有者が持分放棄を行い、実は共有関係から抜けていた場合、請求できない可能性が高いと言えます。

というのも持分放棄が行われると、放棄された持分は他の共有者に分配されるためです。なお固定資産税は1月1日時点で登録されている持分保有者に納税義務がありますので、時期によっては請求は可能です。

また、持分放棄が行われた場合、持分を受け取る共有者は「贈与された」とみなされます。そのため贈与税発生の可能性もありますので、どれくらいの持分が自身に移るのか確認した方が良いでしょう。

なお持分放棄時は、持分移転登記により持分配分が変更されます。この登記には共有者全員の参加が必要ですので、気付かぬ間に勝手に持分が増えていた、といったことは基本的にありませんのでご安心ください。

固定資産税トラブル解決につながる方法

最後に、固定資産税のトラブル解決および、そもそもトラブルが起こらない状況にするための方法を紹介します。

  • 共有関係から抜ける
  • 単独名義にできないか検討する

共有関係から抜ける

単純な話にはなりますが、共有関係から抜けることで固定資産税に関するトラブルに巻き込まれることはありません。

ただ当然、共有関係から抜けると不動産に関する管理など所有権はすべてなくなります。そのため、共有持分は保有しているが、実質その不動産を活用していない方にはおすすめの方法だと言えるでしょう。

なお、共有関係から抜けるには、主に下記の方法があります。

  • 共有者で持分の売買
  • 第三者に持分を売却
  • 共有者間で持分を贈与
  • 共有者間で持分を放棄
  • 共有物分割請求の実施

持分の売却は可能で、共有関係から抜ける際に現金の取得はできますのでメリットもあります。

共有不動産に居住していないといった場合は、共有関係から抜けることも検討手段の1つです。

単独名義にできないか検討する

共有関係から抜ける方法とは逆に、自身の単独名義にできないか検討するのも手段の1つです。

単独名義にすることで、ご自身のみが所有する不動産となりますので固定資産税などに関する負担は名義人のみとなります。そのため他者間で発生しがちなトラブルはすべて回避できます。

方法としては共有者から持分を買い取る形が主で、自身が共有不動産に居住していて共有者は居住していないといった状況だと話は通りやすいでしょう。

いずれにしても、話し合い次第でよりよい解決策は出ます。いままで話し合いをしてこなかった場合は、まずは今後の管理方法などについて話し合ってみましょう。共有関係から抜けたり単独名義についても、その話し合いで出してみると良いでしょう。

まとめ

共有関係では、何かとトラブルが発生しがちです。

この固定資産税についても、代表者が払う背景から、他の共有者が固定資産税を支払わないことはトラブルになりやすい状況ではあります。

そのため、話し合い次第では「共有関係から抜ける」か「単独名義にする」といった手段も検討してみても良いでしょう。

なお共有持分の売却については、一般の不動産では扱ってもらいにくい背景があり、共有持分を専門とする業者に依頼することをおすすめします。

弊社も共有持分の売買に特化しており、弁護士や税理士など各業界のプロと連携して最適な結果になるよう努めております。

共有持分に関する簡易査定や相談は常に承っておりますので、お悩みの方はぜひお気軽に相談してください。

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