売りたい - 売却にかかる税金と周辺知識 2024.04.24

農地の売却でかかる税金とは?相続した農地の売却にかかる税金も解説

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農地を売却したとき、どのような税金がどれくらいかかるか知らない方も多いのではないでしょうか。

農地売却は一般的な土地の売却とは違った特別控除があるので、納付する税金を抑えることができる可能性があります。

この記事では、農地売却でかかる税金や税金以外でかかる費用、受けられる可能性がある特別控除などについて解説します。

農地の売却でかかる税金の種類

農地の売却でかかる税金の種類は次の通りです。

譲渡所得税

譲渡所得税は次の3つで構成されています。それぞれで、短期譲渡(所有期間が5年以下)と長期譲渡(所有期間が5年越え)で税率が変わります。

税金の種類短期・長期税率
所得税短期譲渡譲渡所得の30%
長期譲渡短期譲渡30%に1/2をかけた15%
復興特別所得税短期譲渡譲渡所得税30%に0.021をかけた0.63%
長期譲渡譲渡所得税15%に0.0021をかけた0.315%
住民税短期譲渡譲渡所得の9%
長期譲渡譲渡所得の5%

課税譲渡所得金額は、次のように計算されます。

  • 収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額

取得費は農地を取得するために支払った代金で、相続の場合は被相続人が農地を取得したときに支払った代金です。特別控除については、後の「農地の売却で受けられる税金の特別控除」で詳しく解説しています。

もし、取得費がわからない場合は売った金額の5%相当を取得費とします。譲渡所得税の計算方法や取得費の概要などについては、下記の国税庁ホームページで確認できます。

»参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

登録免許税

登録免許税は所有権移転登記や住所変更登記、抵当権抹消登記などの際にかかる税金です。農地売買の所有権移転登記の登録免許税は、「固定資産税評価額×2%」で計算されます。

しかし、特別措置によって令和3年3月31日までに所有権移転登記をする場合は、登録免許税率は1.5%です。

登録免許税の納税義務者は、国税庁「No.7190 登録免許税のあらまし」に「登記や登録等を受ける人」と記載されています。

さらに、農地を担保とする抵当がある場合は抵当権抹消登記で、不動産一筆につき1,000円かかります。

抵当権抹消登記にかかる登録免許税の詳細については、法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」で確認できます。

印紙税

印紙税とは、農地の売買契約を書面でおこなう場合に納めなければならない税金です。契約書に記載されている契約金額が、10万円を超える場合が対象です。

印紙税は譲渡所得によって、次のように税額が変わります。

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの400円200円
50万円を超え 100万円以下のもの1千円500円
100万円を超え 500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの2万円1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え 5億円以下のもの10万円6万円
5億円を超え 10億円以下のもの20万円16万円
10億円を超え 50億円以下のもの40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万円
出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

印紙税は契約書1通に対して課税されるため、売主と買主で契約書が2通ある場合は2通分の印紙税がかかります。

たとえば、契約書を1通のみで売買する場合は売主買主のどちらか一方が全額を負担するのではなく、買主と半分ずつ負担するのが一般的です。

折半しなければいけない決まりはないので、買主とよく相談してトラブルがないように進めていきましょう。

農地の売却で受けられる税金の特別控除

農地を売却するときに、宅地などの一般的な不動産売却で受けられる特別控除を適用できる場合があります。

・収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額

特別控除は上記、課税譲渡所得金額の計算式の「特別控除額」に該当します。

ここでは農林水産省の「農地を売った場合の税金」で記載されている、農地売却の特別控除の概要をよりわかりやすく解説します。

800万円特別控除

800万円特別控除は農用地区域内の農地であることが前提としてあり、加えて以下の要件に該当する際に適用できます。

  • 農用地利用集積計画または農業委員会の斡旋による売却
  • 農地中間管理機構または農地利用集積円滑化団体に譲渡

注意点として、抵当権が設定されている場合は800万円特別控除を受けられないので注意しましょう。また、買主は農業従事者に限ります。

1,500万円特別控除

1,500万円特別控除は農用地区域内の農地などを、農業経営基盤強化促進法の買入協議によって、農地中間管理機構に譲渡した場合に適用されます。

買入協議とは農業委員会に売却を斡旋してもらう際に、各自治体が購入するかどうか協議をおこなうことです。

買入協議を行った末に譲渡が確定し、農地が「売主→農地中間管理機構→買主」に譲渡されます。この形式で農地を売却した際に、売却金額から1,500万円が控除されます。

2,000万円特別控除

2,000万円特別控除は、農用地区域内の農地を地域農業経営基盤強化促進計画の特例により農地中間管理機構に譲渡した場合に適用されます。

地域農業経営基盤強化促進計画の特例とは、地域の農地所有者などの3分の2の同意を得て、市町村に提案することを指します。

地域農業経営基盤強化促進計画の特例や農業経営基盤強化促進法については、農林水産省の「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律について」を参考にしてください。

5,000万円特別控除

5,000万円特別控除は、公共事業や区分整理によって土地収用法によって買取される場合に利用できます。

つまり、公共事業や区分整理によって、国などの指定業者が農地を買い取る際に適用されます。

最大で5,000万円の特別控除を受けることができ、特別控除を受けるためには買取証明書などが必要なので買取業者から受け取った書類は紛失しないように保管しておきましょう。

農地と一般的な土地を売却したときの税金の違い

農地売却と一般的な宅地などの土地売却の違いは、譲渡所得税の特別控除の有無です。

農地売却では先ほど解説したように、譲渡所得税の特別控除があります。一方で一般的な土地の売却では、居住用財産譲渡の特別控除や土地収用による特別控除があります。

これらの特別控除を受けるには、設けられている条件を満たさないといけません。条件は控除の種類によって異なり、法律の問題もあるので不動産会社に相談するのがおすすめです。

加えて、司法関係者と密に連携している不動産会社を選ぶのがポイントです。というのも、控除関連の内容は専門家でないと正しい判断を下せない場合があるためです。

弊社「はればれ商店」では税理士だけではなく、弁護士や司法書士などの各領域の専門家と連携して売却を進めさせていただいております。

売却予想価格の簡易査定もおこなっているので、気軽にお問い合わせください。

»お問い合わせはこちら

農地の売却で税金以外に必要な費用について

農地の売却には、さまざまな税金がかかりますが、税金以外にも売却を通して各種費用が必要となります。

ここでは、農地売却で税金以外に必要な費用について解説します。

測量費用

農地の土地の境界が不明瞭な場合は、買主から測量を依頼される場合があります。それ以外にも、一筆の農地を分けて売却する場合は境界を明確にするために測量が必要です。

境界が不明瞭なのにも関わらず、測量をせずに農地を売却すると、近隣の方とのトラブルに繋がる可能性があります。

測量にかかる費用は農地の大きさや状況によって異なります。目安として数十万円ほどを想定して、手元に費用を用意しておくと良いでしょう。

行政書士費用

農地を宅地などに転用して売却する際は、農業委員会を通して都道府県知事の許可を得なければいけません。農地をそのまま売却する場合も、農業委員会の許可が必要です。

許可申請の各種手続きは自身でもおこなえますが、複雑な手続きが多いので、行政書士に依頼した方が良いでしょう。

行政書士費は行政書士によって変わりますが、10万円前後を目安に持っておけば問題ありません。

また、売却をサポートしてくれる不動産会社が行政書士と連携していれば、自分で探す必要がないのでスムーズに売却の手続きを進められます。

農地を売却したときの確定申告について

最後に農地売却の確定申告の必要書類、納税時期などについて解説します。農地売却の確定申告の書き方については、国税庁「譲渡所得の申告のしかた(記入例)」をご参考ください。

確定申告で必要な書類

農地売却で得た収入の確定申告で、必要な書類は次の通りです。詳しくは国税庁および法務局ホームページに記載されています。

必要書類取得方法
​​確定申告書第一表と第二表(B様式)・オンラインでダウンロード
・税務署
確定申告書第三表(分離課税用)・オンラインでダウンロード
・税務署
譲渡所得内訳書(土地・建物用)・オンラインでダウンロード
・税務署
譲渡時の売買契約書の写し・売買契約時に自身で用意
譲渡に掛かった費用の領収書の写し・売買時に自身で用意
農地を取得した際の売買契約書の写し・売買契約時に自身で用意
当該農地の登記簿謄本(登記事項証明書)・オンラインで請求
・法務局
通常の確定申告に必要な書類・マイナンバーカード・預金口座番号がわかる書類・源泉徴収票 等

譲渡時の売買契約書の写しや譲渡に掛かった費用の領収書の写しなどは、自身で用意しなければいけないので、紛失しないように保管しておきましょう。

控除を受ける場合に必要な書類

前述の通り、農地売却では特別控除を受けることができます。

800万円特別控除を受ける際の必要書類は以下です。

  • 譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
  • 農地中間管理機構の当該土地等を農地売買等事業のため買い入れた旨を証する書類(別紙様式第1号) 
  • 都道府県知事の当該土地等の買入れをする者が措置法令第22条の9に規定する農地中間管理機構に該当する旨を証する書類(別紙様式第2号)

1,500万円特別控除を受ける際の必要書類は以下です。

  • 譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
  • 農地中間管理機構の当該農用地を買入協議に基づき買い取った旨を証する書類(別紙様式第5号) 
  • 都道府県知事の当該農用地の買取りをする者が措置法第34条の2第2項第25号に規定する農地中間管理機構に該当する旨を証する書類(別紙様式第2号)
  • 市町村長の当該農用地が農用地区域として定められている区域内にあり、かつ、当該農用地の買取りについて法第22条第2項の規定による通知をしたことを証する書類(別紙様式第6号)

2,000万円特別控除を受ける際の必要書類は以下です。

  • 譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
  • 農地中間管理機構の当該農用地を農用地利用規程の特例に基づく所有者等の申出により買い取った旨を証する書類(別紙様式第11号)
  • 市町村長の当該農用地が農用地利用規程の特例に係る農用地利用改善事業の実施区域内にある農用地である旨を証する書類(別紙様式第11号)
  • 都道府県知事の当該農用地の買取りをする者が旧措置法第34条第2項第7号に規定する農地中間管理機構に該当する旨を証する書類(別紙様式第13号)

800万円特別控除から2,000万円特別控除は、農林水産省の「​​農業経営基盤強化促進法等に係る税制上の優遇措置の適用に関する証明事務の取扱いについて」を参考にしてみてください。 

5,000万円特別控除を受ける際の必要書類は以下です。

  • 譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
  • 収用証明書
  • 買取り等の証明書
  • 公共事業の施工者から買取り等の申出証明書

詳しくは国税庁の「No.3552 収用等により土地建物を売ったときの特例」を確認してみてください。

特別控除を受けるためには、通常の確定申告の必要書類に加えて公的な書類がいくつか必要です。

自身だけでおこなうのは難しいので税理士または、税理士などの司法関係者と連携している不動産会社に相談しましょう。

申告と納税時期

農地を売却した場合の譲渡所得の申告と納税は、現住所を管轄している税務署で翌年の2月16日から3月15日の期間におこなう必要があります。

もし、一括で税金を納付できない場合は分割で納付できます。期間内に一括で納税が難しい方は国税の猶予制度を利用しましょう。

猶予制度を利用する際は、利子や延滞税がかかる場合もあるので注意が必要です。納期限までに納付が難しい方は、以下を参考に手続きを進めてみてください。

»参考:国税庁「納期限までに納付することが困難な方へ

農地売却の税金で不安があるなら専門の不動産会社に相談を

ここまで解説した通り、農地売却にかかる税金や売却をするために法律の課題を解決しなければいけません。

税理士・弁護士・行政書士など、各分野の知識が必須であるため自身でおこなうのは非常に困難です。

弊社では司法関係者に加えて一級建築士や建築会社など、司法関係者だけではなく各種分野のプロと連携して売却を進めていきます。

大手不動産会社や地域密着型不動産会社なども、連携しているので買い手が見つからなくて困っている方もぜひ気軽にお問い合わせください。

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まとめ

農地を売却したときにかかる税金は以下の3種類です。

  • 譲渡所得税
  • 登録免許税
  • 印紙税

譲渡所得税については特別控除が適用される場合があり、最大で5,000万円の控除を受けられます。

確定申告の際にも、通常の確定申告で必要な書類に加えて、農地売却に関係する書類をいくつか用意しなければいけません。

このような一般的な土地と異なり、「農地」という特殊な土地は司法関係者などのサポートが必須です。もし、農地売却でお困りの場合はぜひ弊社にお問い合わせください。

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