売りたい - 売れない物件と解決策 2024.04.08
狭小地が売れない理由とは?売却するコツや土地の活用方法についても解説
狭小地を所有しているものの、活用方法がなく売却を考えている方も多いのではないでしょうか。
狭小地はその名の通り、敷地面積が狭く様々なデメリットが存在するため活用が難しく買い手を見つけるのが難しいです。
この記事では、狭小地が売れない理由や売却するためのコツ、土地の活用方法の例について解説します。
この記事の目次
狭小地とは
狭小地とは、建物を建てる最低限の条件を満たしている土地を指します。その名の通り面積が狭く、広さが限られている土地です。
一般的には15〜20坪(45〜60平方メートル)以下の土地を指し、不整形地であるケースが多く、都心部などの土地の坪単価が高い地域に多い傾向があります。
ただ三角形や台形のような形をしている場合が多いので土地の活用が難しく、売却を考える方も多いです。
しかし、狭小地は建築制限や用途地域の制限などがあるため、買い手が見つかりにくい傾向にあります。また、購入する場合も後から「思っていたのと違った」と後悔する事例があります。
したがって、狭小地の売買を考えているのであれば不動産の専門家に相談をして、適切なアドバイスをもらいましょう。
狭小地が売れない理由とは
狭小地が売れないと言われる理由は、主に下記5つです。それぞれ詳しく説明します。
建て替えができない
狭小地は再建築不可物件に該当する可能性があり、建物の増改築や建て替えができない可能性があります。
都市計画区域と準都市計画区域の住宅は緊急車両の出入りの点などから、接道義務を満たさないといけません。
接道義務とは「敷地が建築基準法で定められている道路(幅員4メートル以上の道路)に、2メートル以上接しなければならない」という決まりのことです。
»参考:法令検索「建築基準法」
狭小地は当然ながら敷地面積が狭いので、接道義務を満たしていないケースが多いです。そういった場合、買い手が土地を活用できないため、なかなか売却まで至らない傾向にあります。
住宅ローンを組みづらい
狭小地は金融機関が定めている条件を満たすことができない可能性があり、住宅ローンを借りられない場合があります。
そのため、住宅ローンを組んで土地を購入することを考えている買い手からは、避けられてしまう傾向があります。
金融機関が定めている条件には床面積や土地面積などがあり、これを狭小地が満たすのは難しいです。また、金融機関の条件を満たせないだけではなく、狭小地は不動産担保としての評価が低い点も住宅ローンを借りることが難しい要因となっています。
フラット35利用できない
狭小地では、住宅金融支援機構が提供している「フラット35」を利用できない可能性があります。というのも、フラット35を利用するための基準を満たすことができないからです。
具体的には、フラット35では面積の条件が設けられており、一戸建ては住宅の床面積が70平方メートル必要です。
一方で狭小地は土地の面積が小さいため、床面積の条件を満たすのは難しいと考えられます。
したがって、フラット35の利用を前提としている買い手には、購入対象から外される可能性があるでしょう。
利用条件については、住宅金融支援機構の「【フラット35】ご利用条件」で詳しく記載されていますので参考にしてください。
建設費用が割高になりやすい
狭小地は整形地と比べて建築費用が割高になるため、買い手を見つけるのが難しいです。
敷地が狭いため建設資材を保管しておく場所を作れない点や、工事に工数がかかる点などから建設費用が割高になるケースがあります。
そのため、狭小地は一般的な整形地と比べて土地の価格は安くなる傾向にありますが、建物を建設する場合に費用が高くなる点から、買い手から避けられることが多いです。
日当たりや風通しが良くない
狭小地は隣の建物と距離がなく、日当たりや風通しが良くないことが多いです。
日当たりが悪いと昼間でも電気を付ける必要があり、光熱費が高くなってしまいます。加えて、風通しも悪いと湿気が溜まって夏場は蒸し暑い環境となります。
光熱費が高くなるだけではなく、一般的な整形地と比べると生活環境として適していない場合があるでしょう。
そのため、住宅を建てるために土地を探している買い手から、狭小地は敬遠される傾向があります。
売れない狭小地を売却する方法
狭小地が中々売れない場合は、下記2点の方法を検討してみましょう。
隣人に買取を打診する
狭小地を売る1つ目の方法は、隣人に買取を打診することです。
隣人に買い取ってもらうことが可能であれば買い手を探し回る必要はなく、多くの時間を割く必要がなくなります。
たとえば隣人が旗竿地を所有しており、狭小地を買い取ることで整形地になる場合は、買取してもらえる可能性が高いでしょう。なお旗竿地とは間口が狭く奥に土地があり、「旗」のような形をしている土地を指します。
しかし、当然ですがそもそも隣人に購入の意思がなければ成立はしません。その場合は、専門の不動産業者に依頼して売却のアドバイスを受けましょう。
専門業者に依頼する
2つ目は専門業者に売却・仲介依頼を行う方法です。
狭小地のような特殊な不動産は、一般的な不動産では取り扱ってもらいにくい傾向があるため、狭小地を含む特殊な不動産を専門的に扱う業者に依頼することが一般的です。
なお弊社は、狭小地のような一般的な不動産とは違う、扱いが困難な不動産の取り扱いを熟知しております。
弁護士や税理士など各業界の専門家と連携して、依頼者様にとって最適なご提案をしておりますので、お困りの点がある場合はまずはお気軽にご連絡ください。
狭小地を土地活用する方法
狭小地が売れない場合、下記を代表とした土地活用を検討することも1つの手段です。それぞれ詳細を紹介します。
賃貸物件として活用する
まず狭小地の活用方法の1つは、賃貸物件としての貸し出しです。再建築不可物件に該当しない土地であれば、新たに住居を建てて貸し出すことができます。
狭小地でも15坪より大きければ一戸建てを建設して、戸建て賃貸として活用できます。
賃貸としてマンションやアパートは投資効率が良いため、競合が多いです。一方で一戸建て賃貸は投資効率が悪く始める人が少ないので、競合が少ないことがメリットです。
駅から遠い立地でもファミリー層に需要がある一戸建て賃貸であれば、十分に入居者を見込めるでしょう。
貸し駐車場として活用する
狭小地で住宅環境として適していない場合は、貸し駐車場にして活用する方法も考えられます。
駐車場として活用するのであれば、「日当たりが悪い・風当たりが悪い・住宅ローンを組むのが難しい」といった住宅環境としてのデメリットの影響は受けません。
そのうえ、駐車場がない家が多い住宅街では月極駐車場、繁華街ではコインパーキングがおすすめです。このように地域の特徴を把握して運営すれば、一定の収益も見込めるでしょう。
しかし、駐車場として活用する場合は「住宅用地の課税標準の特例措置」を受けられない点に注意しなければいけません。
たとえば、大阪市では「住宅用地の課税標準の特例措置」の適用外になると、最大で固定資産税が6倍、都市計画税は3倍になります。
»参考:大阪市「住宅用地の課税標準の特例措置」
駐車場として活用することで収入を得られるようになりますが、固定資産税と都市計画税で税金が以前よりも多く発生することも把握しておきましょう。
シェアポートの設置場所として活用する
狭小地は敷地面積が狭いため活用するのが難しいですが、場所を要さない「シェアポート」であれば十分に活用できます。
シェアポートとは、シェアリングサービスのステーションのことで、以下のサービスが該当します。
- カーシェア
- シェアサイクル
- シェアバイク
- シェアキックボード
デリバリーサービスの普及や手軽な移動手段としてカーシェアだけでなく、その他のシェアリングサービスも注目されています。
そのため、これからさらに需要が高まり、狭小地の有効な活用方法として注目される可能性があります。
まとめ
狭小地はその名の通り敷地面積が狭く、一般的には15〜20坪(45〜60平方メートル)以下の土地を指します。
住宅環境としては、適していない土地が多いため買い手を見つけるのが難しいです。
しかし、日当たりや風当たりに問題ない場合は賃貸物件として活用でき、そうでない場合でも駐車場やシェアポートとして活用できます。
まず売却を目的としているのであれば、隣人に話を持ちかけるのも一つの手です。
もし、それでも売却できずに買い手に困っている場合は、専門の不動産業者に相談しましょう。
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