![](https://kaiketsu.8080stn.co.jp/wpcms/wp-content/uploads/2024/03/agricultural-land-sale.png)
売りたい - 売れない物件と解決策 2024.04.02
農地の売却はなぜ難しい?より高く売るための工夫についても解説
KEYWORDSキーワード
不要な農地を所有している、または相続によってやむを得ず所有することになり、売却したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
農地の売却は農地法によって買い手に制限が設けられているうえに、農家の高齢化・人口減少が拍車をかけて買い手が減少しています。
そのため、農地を売却することが困難になっているのが現状です。
そこで本記事ではそもそも農地が宅地よりも売却するのが難しい理由や、売却の方法について解説します。
農地の売却が宅地よりも難しい5つの理由
一般的に農地の売却は宅地よりも難しいと言われています。その背景には、農地の土地としての特性や買い手不足が挙げられます。
ここでは、農地の土地としての特性や買い手不足を踏まえて、農地の売却が宅地よりも難しい理由を5つ解説します。
農地の価格が下がっている
農地は宅地と比べて取引価格が低く、土地の価格も減少傾向にあるため、農地を欲しがる人が少なくなっています。以下は平成21年から令和4年までの農地価格の推移です。
![](https://kaiketsu.8080stn.co.jp/wpcms/wp-content/uploads/2024/04/image.png)
出典:全国農業会議所「令和4年田畑売買価格等に関する調査結果(要旨)」
農地の土地価格が下降傾向にある理由は、農地の土地として活用するのが難しい点にあります。
一般的に土地の価格は立地の良さや土地活用の自由度(たとえば旗竿地や狭小地は自由度がない)によって決まります。その点、農地は農業目的でしか活用できません。
そのうえ、売買に農業委員会の許可が必要であったり、転用して宅地として活用する際も都道府県知事の許可が必要だったりと、さまざまな手続きが必要です。
そのため、農地自体の需要が少なくなっており、それに伴って土地の価格も下降傾向にあります。
農家や農業従事者にしか売却できない
農地は誰にでも売却できるわけではありません。買い手には条件が設けられており、農家または農業従事者でないといけません。
これは農地法によって定められており、買い手が制限されている理由には、国内の食料自給率があります。たとえば、特に制限がなく農地を売却できるようになってしまうと、農地が減少して食料自給率が下がってしまうのです。
このような背景から農地の売却先は、農家または農業従事者と定められています。したがって、農地は買い手の制限からそもそも売却先が少なく、自力で買い手を探すのは難しいでしょう。
農家の人口不足と高齢化の傾向にある
農地の売却が難しい理由は、土地としての特色だけではなく買い手不足にもあります。
その背景には農業従事者は少子高齢化の影響で高齢化が進んでおり、農業人口も減少傾向にあることが挙げられます。
![](https://kaiketsu.8080stn.co.jp/wpcms/wp-content/uploads/2024/04/image-1.png)
出典:農林水産省「(1)基幹的農業従事者」
基幹的農業従事者とは、15歳以上で普段から自営農業に従事している人を指します。農業生産の根本を支える基幹的農業従事者が2005年から2020年の間に、約40%も減少しています。
そのうえ、農家の高齢化も進んでおり引き継ぐ人がいないことから、「自分の代で農業を終わりにする」と考える方も多いです。
したがって、農家の高齢化・人口減少によって買い手が少なく、農地の売却はより困難になっているのが現状です。
収益性が不透明で需要が減少傾向にある
農業の収益性の不透明さによって、土地の需要が減少傾向にある点も背景にあります。
農業技術の近代化によって収穫量は安定しつつありますが、他の事業と違い収益の見通しを立てるのが難しいのも事実です。
そのため、農家を目指す若者が少なくなり、農家の高齢化や人口減少によって農地そのものの需要が減少傾向にあります。農地は土地の特性上、売却するのが難しいですが、そもそもの買い手の減少も売却しにくい要因となっています。
農業委員会の許可が必要で勝手に売却できない
農地は農家や農業従事者にしか売却できませんが、それに加えて「農業委員会の許可」が必要です。農地法第三条には下記のように示されています。
第三条 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000229
転用をおこわず農地をそのまま売却・譲渡する際は、農地法によって農業委員会から許可を得なければならないと定められています。
たとえ売却や譲渡先が農家または農業従事者であっても、農業委員会が許可を出していないと売買契約は無効となります。
農地の売却先が見つからないなら専門の不動産会社に相談を
農地売却は買い手を見つけるのが難しいため、不動産会社に相談するのが最も早くスムーズに売却を進められます。
不動産会社に相談する際は、司法関係者と連携している会社を選ぶのがポイントです。というのも、農地売却は法律によってさまざまな制限があるからです。
農地をそのまま売却する場合は農地法第三条、転用する場合は第三条に加えて第五条を理解しておかなければなりません。
そこで弊社「株式会社はればれ商店」では、税理士・弁護士・司法書士・一級建築士など各種専門分野のプロと連携して売却を進めていきます。
複数の指標から実勢価格で不動産売却予想価格の簡易査定もおこなっておりますので、気軽にお問い合わせください。
農地を売却する2つの方法
農地を売却する方法は、次の2つに分けられます。それぞれの方法のメリットとデメリット、注意点、高く売るためのコツについて解説します。
農地のまま売却する
農地のまま売却する場合は地目を変えなくてもいいため、転用と比べて経済的な負担が少ないのがメリットです。
デメリットは冒頭で述べた通り、農家の高齢化・人口減少に伴って農地の需要が少なくなりつつあり、高値での売却が難しい点です。
また、農地法によって売却先は農家か農業従事者に限られます。そのため、近隣に農家がいない場合は、買い手を自身で探すのは手間と時間がかかります。
そのため、高値で農地を売却したいのであれば、次に解説する農地を転用して売却するのがおすすめです。
どうしても農地のまま売却したい方で、買い手探しに困っている方は専門の不動産会社に相談しましょう。
農地を転用して売却する
農地を転用して売却するときは、農業委員会の許可だけではなく、都道府県知事の許可も必要なので農地のまま売るケースに比べて手間がかかります。
農地法第五条では、農地転用について下記のように定められています。
第五条 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000229
農地転用は手続きに手間がかかりますが、農地と比べて宅地などに転用した方が高く売れる可能性があります。
というのも、農地は農業でしか利用できませんが、宅地などに転用することで活用の幅が広がるからです。
たとえば、農地を転用すれば住宅だけではなく、駐輪場や駐車場、シェアポートなど活用の幅が一気に広がります。
農地を転用して売却する場合も農地法が関係するので、司法関係者と連携している不動産会社に相談することをおすすめします。
農地を売却する流れ
農地を売却する流れについて、農地のまま売却する場合と農地を転用して売却する場合の2つに分けて解説します。
農地のまま売却する場合
農地をそのまま売却する流れは、以下の通りです。
- 1.買い手を探す
- 2.許可申請前に売買契約を結ぶ
- 3.農業委員会に許可を申請する
- 4.所有権移転請求権の仮登記をおこなう
- 5.許可が出たら本登記をおこなう
農地のまま売却するのであれば、近隣の農家に掛け合ってみるのも一つの手です。地域によっては、市区町村のホームページに掲載して買い手を探すこともできます。
しかし、農地は需要が少ないため自分で買い手を探すのは難しいでしょう。その場合は、専門の不動産会社に相談してみるのがおすすめです。
不動産会社に相談すれば諸々の手続きもサポートしてくれるので、スムーズに農地を売却できます。
農地を転用して売却する場合
農地を転用して売却する流れは、次の通りです。
- 1.不動産会社に相談する
- 2.許可申請前に売買契約を結ぶ
- 3.農業委員会に許可を申請する
- 4.都道府県知事の転用許可を得る
- 5.許可が出る前に所有者移転登記の仮登記をおこなう
- 6.許可が出たら本登記をおこなう
農地を転用する場合は、農業をしていない一般の方にも売却できるので高値で売れる可能性が高いです。
農地のままだと用途が農業に限定されますが、転用するのであれば住宅や駐車場など活用の幅が広がるのも高く売れる理由です。
なお前述しましたが、農地を転用する際はそのまま売却する場合と違い農業法第五条の「都道府県知事等の許可を受けなければならない」という決まりがあります。
そのため、手続きが増えますが不動産会社に相談していれば、諸々の手続きをサポートしてくれます。
農地の売却相場
農地の地域ごとの売却相場は、以下の表の通りです。
地域ごとの平均価格なので、あくまで目安として参考にしてみてください。
地域 | 中田平均価格/10a | 中畑平均価格/10a |
---|---|---|
北海道 | 240,000円 | 116,000円 |
東北 | 596,000円 | 304,000円 |
関東 | 1,398,000円 | 1,521,000円 |
東海 | 2,046,000円 | 1,819,000円 |
北信 | 1,283,000円 | 882,000円 |
近畿 | 1,810,000円 | 1,300,000円 |
中国 | 677,000円 | 401,000円 |
四国 | 1,642,000円 | 920,000円 |
九州 | 778,000円 | 543,000円 |
沖縄 | 862,000円 | 1,236,000円 |
大都市圏の農地の平均価格は他の地域と比べて高くなる傾向にあります。というのも、市街地に近い農地は転用して利用される可能性が高いからです。
しかし、農地の平均価格は毎年下降傾向にあるので、売却を考えている方は早めに不動産会社に相談した方が良いでしょう。
まとめ
農地は宅地と比べて活用範囲が狭く、買い手は農家または農家従事者という制限があるため売却することは難しいです。
そのうえ、農家の高齢化や人口減少でさらに買い手が減っているため、一層売却は難しいでしょう。
近所に農家がいない場合は、農地の売却先を自分で探すのは手間と時間がかかります。そのため、早く手放したいのであれば不動産会社に相談するのが最もスムーズです。
弊社「株式会社はればれ商店」では、不動産簡易査定もおこなっておりますので、気軽にお問い合わせください。
»お問い合わせはこちら
条件でさがす
カテゴリ別にみる
- はじめて
- もっと知りたい
- 売りたい
- 解決したい