売りたい - 売却の流れってどんなの? 2024.04.02

底地の売却方法5選!底地が売れないと言われる理由とは?高額売却のコツも紹介

底地は自由に土地を使えない背景から、売却を考える方も多いでしょう。

ただ第三者に売却する場合は、その第三者も土地を自由に使えないためそもそもの需要は低い状態にあります。

その一方で、最も需要を感じているのは借地人です。というのも借地人が底地の権利を手に入れると1つの不動産として所有でき、地代を払う必要もなくなるためです。

とはいえ借地人の資産状況によっては、購入は不可能な場合も多いでしょう。この記事では底地の売却方法について、状況別に合わせた最適解を紹介します。

底地の売却方法

底地の売却方法は、主に以下5つとなります。それぞれ売却方法の詳細を紹介します。

借地人に売却する

1つ目は借地人に売却する方法です。

借地権を所有する借地人にとって、底地の権利は取得したい存在と言えるでしょう。というのも借地人が底地を所有することで、1つの不動産として土地を自由に活用できるようになるためです。

なお、底地を最も高額で売却できる相手は借地人です。そのためまずは1番に話をもちかけると良いでしょう。

ただ借地人が資金的な問題などで購入を拒否すれば、当然売買は成立しません。話を断られたら、次以降に紹介する方法を検討しましょう。

第三者に売却する

2つ目は第三者に売却する方法です。地代収入を目的とした不動産投資家が売却相手の候補となるでしょう。

第三者に売却する場合は、収益性が高い条件になっているか、借地人との関係が良好か、滞納などされていないかといった状態がまず確認されます。

それらの条件について、第三者の希望条件を満たしていれば売買の話はスムーズに進むでしょう。

しかしそれぞれの条件を説明できないおよび管理されていない状態だと、購入側も不安に思うため話は進展しない可能性が高いと言えます。

そういった側面も踏まえ、借地人との関係性や管理は意識して行っておくことをおすすめします。

借地人と同時売却する

3つ目は、借地人と協力して同時売却する方法です。

同時売却とは、底地と借地権をセットで1つの不動産として売却する方法となります。

底地や借地権単体では、権利関係が複雑な背景から相場より低い金額でしか売買が成立しません。しかしセットで特定の人に売却することで、買い手は1つの不動産として所有できるため買取金額は高まる傾向にあります。

ただ、同時売却を実施するには地主と借地人双方の合意が必要となるためまずは話し合いが必要です。同時売却については別の記事でも詳しく解説しているため、そちらも参考にしてください。

底地と借地を等価交換して売却する

4つ目は、底地と借地権を等価交換して売却する方法です。

底地と借地権の等価交換とは、地主が底地の一部分を借地人に譲渡し、借地人が借地権の一部を地主に変換する行為を示します。

等価交換を行うことで、所有する土地の面積自体は狭くなりますが、完全所有の土地を取得できるため相場通りの価格で売買を行うことが可能です。

また借地人も土地を自由に扱えるようになるため、両者にメリットがある方法となります。

ただこちらの方法も、両者の合意の元でないと行えません。また交換するにあたり法律部分を含めた専門的な知識が必要となりますので、専門家に相談することは必須です。

専門の不動産業者に売却する

5つ目は、専門の不動産業者に売却する方法です。

これまで紹介したものは基本的に借地人と話し合いを行い、売却方法を決める話ばかりでしたが、借地人と話し合いがうまくいかない場合も多いでしょう。

そういった場合は不動産業者に依頼して売却する、もしくは仲介してもらうことをおすすめします。

なお一般的な不動産業者では底地の扱いに慣れておらず低価格での売買になる恐れがあるため、底地などを専門とした不動産業者に依頼することを推奨します。

底地の売却が難しい・売れないと言われる理由

そもそも底地の売却が難しい、底地は売れないと言われる背景も理解しておきましょう。要因は主に下記の3点です。

土地を自由に使えない

前提として、底地と借地権の意味は下記のとおりです。

底地:借地権が設定されている土地
借地権:借地人が土地を使用する権利

底地は地主によって所有されていますが、借地権があるため地主自身が土地に建物を立てたりなど活用することができません。

つまり底地を取得した人は、その土地自体を活用することはできずあくまで地代収入を獲得することが目的となります。

そのため、そもそも底地を求める人の母数が少ないことが、底地は売れないと言われる1つの要因となっています。

地代収入による収益性が低い

底地は地代収入を得られるメリットがあります。

しかし納付する税金や借地人との関係性構築なども踏まえた際に、その地代収入が見合っていなければ「収益性は低い」と判断されます。

税金の1つである固定資産税などの負担を考えた際に、差し引いた収入が微々たるものであれば、買取額が安くなってしまう、もしくは購入を検討されない状態になりやすいと言えます。

借地人とトラブルになる恐れがある

底地は、借地人との権利関係が複雑であるためトラブルが発生しやすい不動産とも言われています。

たとえば借地人が地代の支払いを滞納しているなどを代表例に、下記のようなトラブル例があります。

  • 地代の値上げに関するトラブル
  • 更新料の支払いに関するトラブル
  • 建物の増築・改築に関するトラブル

滞納についても、問題が解消されないなら裁判によって解決することもできますが、裁判を実施するには時間も労力も要します。

そういったトラブル発生リスクを抱え続けるのは面倒だと考える人も多く、底地の購入を候補から外されることが底地の売却が難しくなっている1つの要因でもあります。

ですので売却の際は借地人に売却する、もしくは借地人と協力して同時売却を行うなど1つの不動産として扱える状態にすることがおすすめだと言えます。

借地権の種類と底地の売却額について

借地権の種類によって売却額も変わってきますので、種類ごとの特徴を紹介します。

普通借地権

普通借地権とは、更新ができる借地権のことです。

普通借地権では、借地人の権利が強く守られています。たとえば土地オーナーから契約を解除するためには正当事由が必要となり、多額の立ち退き料を支払う必要があります。

つまり普通借地権では、一旦契約してしまうと解約は難しく、地主に半永久的に利用権は戻ってこないものと認識して良いでしょう。

そのため借地権が「普通借地権」である底地を第三者に売却しようとしても、その価値は低く見積もられ、期待した額にならないケースが多いです。

なお普通借地権の存続期間は一般的に30年ですが、30年以降の契約更新についても基本的には借地人が望む限り更新されます。

定期借地権

定期借地権は、普通借地権と違い更新ができない借地権です。

つまり契約期間満了時に確定的に契約終了し、土地が戻ってきます。立ち退き料も発生しないため、地主としても安心して貸すことができる仕様です。

この定期借地権は高層マンションなどによく使われており、50年が経てば返還する必要があったりするのは、この定期借地権が設定されているためです。

なお借地権が「定期借地権」である底地は、契約期間の残存期間が短いほど価値が高くなります。それもそのはずで、契約期間が過ぎると地主の完全所有の土地となり、1つの不動産として活用できるためです。

そのため定期借地権が設定されている底地なら、残存期間にもよりますが契約期間が満了してから売却するとより高額売買が成立すると言えるでしょう。

使用賃借

使用貸借とは、主に無償で土地を貸している借地を意味します。

こちらについては借地借家法の適用を受けないため、借主の権利は守られていません。地主が退去を命じれば、退去する必要があります。

そのため権利関係は単純となっており、売却を考えているなら借主の退去を命じて通常の不動産として売却することが最良でしょう。

底地の売却に関するよくある疑問・注意点

最後に、底地の売却に関するよくある疑問や注意点を5つ紹介します。

底地の売却相場はどのくらい?

底地の売却相場は、買い取ってもらう相手によって異なります。

1つの目安として、借地人が買取相手なら更地価格の50%ほどが相場で、第三者・不動産業者なら更地価格の10%〜20%となります。

なお更地価格の算出方法は、国税庁が出している路線価を元に算出可能です。

底地売却により税金は発生する?

底地を売却した際に利益(譲渡所得)が発生すれば、税金も発生します。なお譲渡所得は、以下の計算式で算出されます。

  • 譲渡所得金額=売却金額-(取得費+譲渡費用)

つまり売却金額でお金を得ても、取得費(購入費用)や譲渡にかかった諸費用を合わせた額が売却金額以上であれば、税金は発生しません。

なお税金が発生した場合は、その不動産の所有年数によって下記のとおり税率が変化します。

  • 5年以下:39.63%
  • 5年越え:20%

高額で売却するには何をすべき?

高額で売却するには、まずは借地人に買い取ってもらえるかを聞いてみることをおすすめします。

そして借地人が資金的側面などから購入が難しい場合は、借地人に同時売却か等価交換の実施を申し出てみましょう。

結局のところ、権利関係が単純になっていれば需要も増えるため、買取金額も上がる傾向にあります。ですので借地人と協力することが重要であり、普段から良好な関係性を築くことも大切な観点となります。

底地が共有名義の場合は何をすべき?

底地が共有名義の場合であり売却を考えている場合、まずは他の共有者に同意を取るところから始めましょう。

共有名義不動産を売却する際は、共有者全員の同意が必要となるため、仮に自身1人で9割の持分を所有していても、他の人が反対すれば売却は実施できません。

その場合は「持分売却」の検討をおすすめします。共有持分のみの売却には共有者の同意は必要なく、単独の判断で行えます。

ただ、あくまで共有持分の売却のため需要は低く、買取金額も相場よりも低くなります。

ですので売却の際は共有持分の取り扱いに慣れた不動産業者に依頼することをおすすめします。

なお弊社も共有持分の扱いには熟知しており、弁護士や税理士といった各業界の専門家と連携して問題解決に取り組んでおります。

ご相談は常に承っておりますので、共有持分の扱いについて悩みがある場合はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

あらためて、底地の売却方法は主に以下5つとなります。

  • 借地人に売却する
  • 第三者に売却する
  • 借地人と同時売却する
  • 底地と借地を等価交換して売却する
  • 専門の不動産業者に売却する

より高額で売却するには、借地人に売却するか、同時売却や等価交換後の売却など、1つの不動産として権利関係が単純な状態にすることが重要となります。

なお底地が共有名義である場合は、まずは共有者に売却の意思がないか確認を行い同意を得ることが必要です。

同意を得られなかった際は、持分売却を検討するしかありません。

なお弊社では簡易査定も実施しておりますので、持分売却を検討している方は、自身の持分の市場価値を確認するためにもまずはお気軽にお問い合わせください。

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