もっと知りたい - 訳あり物件の整理について 2024.03.25

共有名義を解消する方法6選!知らないとまずい解消しないデメリットとは

不動産の共有状態はデメリットが多く、解消したいと思う方も多いでしょう。

しかし、共有状態を解消するには共有者たちとの話し合いや意思決定を行う必要がある場合も多く、話がまとまらない、そもそも話し合いができないといった問題に直面するケースも少なくはありません。

この記事では現状の状態に合わせた、最適な解消方法はもちろん、特殊な状況下における解消手段など様々なパターン別で紹介します。

共有名義を解消する方法6選

共有持分を解消する方法は、基本的に以下の6つとなります。

不動産全体の売却

まず1つ目は不動産全体の売却です。共有者全員で協力し、1つの不動産として売却する形になります。

共有持分の売却ではないため一般的な相場価格で売却が進みやすく、獲得できる現金面でメリットが多いと言えるでしょう。

ただ不動産の売却を行うには共有者全員の同意が必要で、仮に持分割合1/10の人が反対をすれば、その時点で不動産の売却は不可能です。これは以下の民法により定められています。

第251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

共有者が複数人いる場合は、労力のかかる共有状態の解消方法と言えるでしょう。

共有者間で持分の売買

解消方法2つ目は、共有者間で持分の売買を行うことです。

そもそも、自身の共有持分なら共有者の同意は必要ありません。自由に扱えます。そのため共有者を説得する必要もなく、比較的早くに解消につながるでしょう。

ただ共有者間の売買では、当然ですがお互いの売買の意思がなければ成立しません。とはいえ共有者が本人を含め2人なら購入者側は不動産を単独名義で所有できるため、2人の関係性次第では話は進みやすいでしょう。

いずれにせよ、共有者と話し合いを進めることで共有状態の解消につながる方法です。

第三者に持分を売却

解消方法3つ目は、同じく共有持分の売却です。ただ売却相手が第三者になります。

共有者間で話し合いを行う必要性もなく、最短で共有状態を解消できる方法です。

ただ、1点注意があり、共有持分はその特性上売却相場は低くなりがちです。たとえば3,000万の不動産の50%分の持分を持っているからといって、1,500万で売却することはおそらく難しいでしょう。一般的に価格は相場よりも低くなると想定しておくべきです。

とはいえ共有持分の売買を専門としている業者も弊社を含めてあり、弊社ではスピーディーに、かつ高額で売れるような体制を整えております。不動産状態などご相談いただければ売却想定額もお伝えできますので、ぜひまずはお気軽にご相談ください。

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共有者間で持分を贈与

解消方法4つ目は、持分の贈与です。

売却とは違い、指定の相手に金銭のやり取りなく渡す方法となります。

売却ではないため比較的スムーズに話がまとまりやすく、共有関係を解消するには負担のない方法でしょう。とはいえ持分を手放すメリットが共有関係の解消くらいしかありませんのでそこは注意が必要です。

また贈与された側は不動産の価値に応じた贈与税を払う必要がありますので、資産価値などを事前に調べておき贈与税の金額感を把握しておきましょう。

共有者間で持分を放棄

解消方法5つ目は、持分の放棄です。贈与とは違い、特定の誰かに渡すことはできません。

放棄は自身の意思決定のみで行え、持分は他の共有者たちに持分割合に応じて分配されます。ただ受け取り側はあくまで「贈与された」とみなされますので、贈与税の支払いが必要です。

また放棄後の登記には各共有者の協力が必要なため、自身の意思決定だけで決定できるとはいえ、事前に話を通してスムーズにやり取りが進めるようにしておく必要があります。

共有物分割請求の実施

解消方法6つ目は、共有物分割請求の実施です。

共有物分割請求とは、共有者なら全員が保有している「共有物を分割する請求の権利」であり、共有者と協議を経て、さらには裁判で分割方法を決定する方法になります。

共有者同士で話がまとまらない時に使われる方法となっていますが、裁判にまで発展すると相当の時間がかかるほか、場合によっては弁護士費用などのもかかります。

最後まで協議がまとまらない場合は共有状態になっている不動産を競売にかけることで売却し、共有関係を解消することにもなります。長期的な解消方法となりますので慎重に判断する必要があるでしょう。

共有名義を解消しないデメリットとは

そもそも、共有関係を解消しないデメリットはどんな点があるでしょうか。共有名義を解消せず放置するデメリットを3つ紹介します。

不動産の管理・処分を自由に行えない

代表的なデメリットは、不動産の管理や処分を自身の思うままに行えないことです。

そもそも不動産の管理は下記3つに分類されており、それぞれの意思決定に必要な持分割合が定められています。

  • 保存行為→部屋の修繕など
  • 管理行為→部屋を貸したりする
  • 変更行為→物件を売却するなど

上記の行為に対して、必要な持分割合は下記のとおりです。

  • 保存行為→誰でも可能
  • 管理行為→過半数の同意が必要
  • 変更行為→すべての同意が必要

つまり賃貸物件として不動産を管理したい場合でも、自身が過半数の持分を所有していなければすぐに意思決定はできません。共有者を説得して、同意してもらう必要があります。

また不動産を誰も使っていないから売却したいと思っても、共有者の1人が反対すれば売却はできません。たとえその人の持分割合が1割であったとしてもです。

こういった不動産の管理部分でトラブルや衝突が発生しやすい状況になりますので、共有関係は早めに解消した方が良いと言えます。

固定資産税を払い続ける必要がある

共有持分を保有しているなら、仮に居住していなくても固定資産税を払う必要があります。

払う割合は持分割合に応じて支払う必要がありますが、まずは代表者に納税通知書が来ますので、代理で払った後、共有者それぞれが代表者に支払う形です。

なお、固定資産税の計算方法は下記のとおりです。

土地
課税標準額×税率1.4%

家屋
課税台帳に登録されている価格×税率1.4%

償却資産
課税標準額×税率1.4%

»参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

ここで算出された金額を共有者同士で分割する必要がありますが、管理も所有も実質していない場合は無意味な支出と考えられるでしょう。

該当の状態であれば、共有関係から抜けることがおすすめされます。

相続時に子供にトラブルの種を残してしまう

共有関係が複雑になるのは、相続を重ねることにより共有者が増えてしまうことです。

身近な親族ならまだ話もしやすいですが、会ったこともない人と共有関係になる場合が相続が生じると発生しやすく、子供や孫にトラブルの種を残してしまうことが考えられます。

後に共有者となる相続人が、ほかの共有者から共有物分割請求などで裁判に巻き込まれる可能性も十分にありますので、トラブルを残さない相続をする、という観点でも共有状態はデメリットと言えるでしょう。

共有関係の継続にリスクをお感じでしたら、お早目の解消をおすすめいたします。

特殊な状況における共有名義の解消方法

ここからは、特殊な状況下にある場合の共有状態の解消法をお伝えします。

共有者が行方不明の場合

共有者が行方不明の場合、話し合い等による解消はできません。

所在も分からない場合は「不在者財産管理人」を家庭裁判所を通して選任してもらいます。

選任された不在者財産管理人は,不在者の財産を管理,保存するほか,家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で,不在者に代わって,遺産分割,不動産の売却等を行うことができます。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_05/index.html

その後に不動産売却などの許可を裁判所を通じてもらい、共有関係の解消に動きます。

なお所在はわかるが連絡が通じない場合は「共有物分割請求」により、裁判所を通じて共有関係の解消を図ることが一般的です。

共有者が死亡している場合

共有者が死亡している場合、共有者の持分は法定相続人に相続されているのが一般的です。そのため、相続された方と話し合いをして解消に動きます。

場合によっては複数人が共有持分を相続している可能性もありますので、まずは共有持分の保有者全員を把握し始めることが最適と言えるでしょう。

共有者が認知症である場合

共有者が認知症である場合は、成年後見制度の活用が一般的です。

認知症により判断力が低下したと診断されると売買契約等の法律行為が行えなくなり、共有関係の解消に関する行動が取れなくなります。

成年後見制度を利用することで、本人に代わって成年後見人が法律行為を行うことができます。

成年後見人等は、ご本人の生活・医療・介護・福祉など、身のまわりの事柄にも目を配りながらご本人を保護・支援します。具体的には、ご本人の不動産や預貯金等の財産を管理したり、ご本人の希望や身体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。
https://guardianship.mhlw.go.jp/guardian/election/

また認知症の状態により、「任意後見制度」と「法定後見制度」のどちらかを選べます。

判断力があるうちなら、「任意後見制度」により自身で成年後見人を選び、その方に代行してもらえます。

ただ判断力が失われている場合は、「法定後見制度」により家庭裁判所が成年後見人を決定します。ここでは親族ではなく弁護士などが選ばれるケースもあり、その時の状態次第です。

結果的に認知症である場合は、代理の方が解消に向けて動く形となります。

共有者である人と離婚した場合

共有者である人と離婚した場合は、基本的に「財産分与」により共有関係の解消に動きます。

解消方法はいくつかありますが、共有財産の価値を均等に折半したり不動産を売却することで得た売却金を分割するといった方法で共有関係を解消します。

方法自体は共有者同士で話し合いを行い決められますが、所有不動産を手放したくない場合は相応の金額を相手に支払う必要性もあるため慎重に話を進める必要があります。

不動産を相続する場合

不動産を相続することで共有関係になりそうな場合は、遺産分割協議を行いましょう。

遺産分割協議とは、遺産の相続方法を相続者同士で話し合い決定する協議です。たとえ遺言書があっても、相続人全員が同意すれば協議の結果を反映できます。

具体的に、共有関係を避けるには「相続不動産の売却」か「単独名義で相続する」の2点があり、話し合いを慎重に進めてどちらかに落ち着くようにすることがベストでしょう。

なお遺産分割協議は、結果が決まってしまうと後から反対することはできませんので、それぞれが最適となる解決策を模索することが重要です。

共有関係から抜けたいなら持分売却がおすすめ

共有状態は様々なパターンがありますが、単純に共有関係から抜けたいだけなら持分売却がおすすめです。

自身の持分売却だけなら共有者の同意は必要ないため、話し合いをする必要もありません。さらに専門の業者を使えば比較的スピーディーに売却が進むので現金化までも時間はかかりません。

共有関係の解消の面倒な点は共有者と細かく話し合いを進め、時には険悪な雰囲気になってしまう点です。

持分のみの売却だと一般的な相場よりも安くなる傾向はありますが、早く共有関係から抜けたいと第一に考えているのであれば、おすすめです。ストレスもなく解消できる方法になります。

なお弊社は共有持分の売買を行っており、弁護士や税理士など、各分野の専門家と連携して共有持分を扱っております。

お問い合わせはもちろん、不動産の簡易査定を含めた相談は常に承っておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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まとめ

共有持分を解消する方法は、基本的に以下の6つとなります。

  • 不動産全体の売却
  • 共有者で持分の売買
  • 第三者に持分を売却
  • 共有者間で持分を贈与
  • 共有者間で持分を放棄
  • 共有物分割請求の実施

どの方法も他の共有者と話し合いを行う必要があり、人によっては負担に感じる場合もあるでしょう。

負担なく、スピード重視で共有関係を解消したいなら「第三者に持分を売却する」方法を採用し、専門の業者に依頼することをおすすめします。

第三者に持分を売却する予定がない場合でも、自身の持分がどれくらいで売却できるのか、相場感を把握しておくのも良いでしょう。

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