もっと知りたい - 放棄する方法はあるの 2024.03.25
共有持分の処分方法6選!他の共有者とトラブルにならない最適解とは
共有持分は何かとトラブルが多く、処分したいと思う方も多いでしょう。
とはいえ共有持分の処分方法はケースによって手段が複数あります。現在の状況や希望する処分方針によって取るべき手段が変わってきます。
この記事では、共有持分を処分するとは?どんな手段によって処分できるのか?知っておくべき知識を紹介します。
共有持分の処分について
まずは、共有持分の扱い方についての大前提を確認しておきましょう。
自身の持分ならいつでも処分可能
まず自身の持分については、自由に扱うことができます。
第206条
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
https://www.jica.go.jp/activities/issues/governance/portal/vietnam/ku57pq00002khnos-att/vnu_44.pdf
上記は所有権における定義ですが、自身の持分のみなら売却等などの処分は本人の意思で自由に行えます。
共有持分とは該当する不動産の所有権を共有で保有している状態であり、その権利を売却や贈与等で処分するイメージです。
不動産全体の処分は全員の同意が必要
その一方で不動産全体の処分については、共有者全員の同意が必要です。
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
自身の共有持分は所有者の意思通りに扱えますが、不動産全体を処分する際は個人の判断のみでは処分できません。
たとえ99%の共有持分の所有者が売却を希望しても、1%の所有者が売却に反対した場合、不動産全体での売却をおこなうことはできません。なお、共有不動産への行為として、以下3つの行為に分類され、それぞれを行うのに必要な持分割合が決められています。
- 保存行為→部屋の修繕など
- 管理行為→部屋を貸したりする
- 変更行為→物件を売却するなど
上記の行為に対して、必要な持分割合は下記のとおりです。
- 保存行為→誰でも可能
- 管理行為→過半数の同意が必要
- 変更行為→すべての同意が必要
上記の内容は、共有持分を扱う上で覚えておいて損はありません。
共有持分の処分方法6選
ではここからは、共有持分の処分方法について6つ紹介します。
共有持分を共有者に売却する
1つ目の処分方法として、共有者に売却する方法があります。
共有持分の購入はあくまで所有権の一部を得れるというものであるため、一般的な不動産に比べると売却しづらい傾向があります。
しかし共有者たちは自身の所有権割合を増やせるメリットがあるため、共有者同士だと売買が成立しやすいと言えるでしょう。
たとえばAさんとBさんで1/2ずつ所有しており、Bさんに売却するとなるとBさんは単独名義で不動産を所有できます。
また、3人が1/3ずつ所有している状態で1人が共有者の1人に売却すれば、取得した共有者の持分が2/3となり部屋の貸し出しなどの管理行為を行う意思決定が単独でできるようになります。
このように、共有者にとってメリットがある場合なら話は通りやすいでしょうし、比較的簡単に処分が行えるでしょう。
共有持分を第三者に売却する
2つ目の処分方法として、第三者に共有持分を売却する方法もあります。
あくまで不動産全体の売却ではないため、相場よりも低い金額で売却になるケースが多いですが、共有者に知られずに処分をおこなえる、という側面もあります。
共有者と話しができないなどの事情があり、かつ早く処分(売却)したい方にはおすすめの方法です。なお共有持分を専門に扱う業者もあり、弊社も共有持分の売買に力を入れております。
弊社では、法律関係や税金周りにもスムーズに対応できるように弁護士や税理士など各種専門士業と連携しており、ご依頼者が解決したい共有問題を解決できる環境を整えておりますので、まずはぜひお気軽にご相談ください。
共有持分を贈与する
3つ目の処分方法として、共有持分を贈与する方法もあります。
売却ではなく贈与のため対価が入るわけではありませんほかの共有者の同意も必要はなく、相手が贈与を受け入れるなら任意の相手に贈与ができ、共有者以外の第三者への贈与も可能です。
ただ贈与相手の承諾は必要です。また、共有持分の評価額が110万を超えると贈与税が発生しますので注意が必要です。
そのため贈与を考えている際は共有持分の評価額をあらかじめ把握して、贈与税がいくら相手にかかるのか大まかに知っておくと良いでしょう。
共有持分を放棄する
4つ目の処分方法として、共有持分を放棄する方法もあります。
放棄は贈与とは違い、放棄を選択すれば自身の持分は共有者の持分割合に応じて分配されます。
具体例
AさんとBさんとCさんの3人が1/3ずつ保有(Aさんが放棄)
- Aさん:1/3
- Bさん:1/3
- Cさん:1/3
↓ 放棄後
- Aさん:0
- Bさん:1/2
- Cさん:1/2
解説
Aさんの持分1/3がBさんとCさんにそれぞれ半分(1/6)ずつ配分されたため、持分は「1/3+1/6=1/2」という計算式で移動しました。
上記のように、特定の誰かに渡されるのではなく均等に分配されるのが贈与とは違う点です。なお受け取り手は「贈与された」とみなされるため、贈与税は発生します。
放棄なら贈与税は発生しない、と誤った認識をしないよう注意が必要です。
不動産全体を売却する
5つ目の処分方法として、不動産全体を売却する方法もあります。
不動産を売却するには共有者全員の同意が必要なので、まずは話し合いが必要です。少しでも高値売却を目指したい場合、1つの不動産として全体の持分を共有者と同時に売却することをおすすめします。
1つの不動産として売却すれば価値は共有持分の売却よりも確実に高まり、売却額にも期待が持てるでしょう。共有者と普段から交流があり売却に同意を得られそうであればこちらの方法が金額面では1番おすすめの方法です。
不動産を分割して処分する
6つ目の処分方法として、不動産を分割して処分する方法もあります。
不動産を分割して処分するというのは、共有物分割請求を行う事を意味します。
共有物分割請求とは、2人以上で不動産などを所有し、共有者のひとりが共有状態の解消を求める請求です。共有物分割請求は法的強制力があるため、他の共有者は共有物の解消に向けて対応しなければなりません。
なお分割方法は下記の3つになります。
- 現物分割
- 代償分割
- 換価分割
詳細は共有物分割請求訴訟とは?実際の流れや費用感を紹介の記事で紹介していますが、上記3つのいずれかの方法により共有持分を処分する方法です。
共有持分の処分方法は持分の売却がおすすめ
いくつか処分の方法を紹介しましたが、いち早く共有持分を処分したい方にはは共有持分の売却をお薦めいたします。
持分売却がおすすめな理由
理由は時間や費用も多くかからず、確実に処分できるためです。また共有持分の価値によっては大きな利益が出る場合もあるためです。
共有者を説得して不動産を丸ごと売却したり持分放棄する手段もありますが、共有者と密にコミュニケーションを取る必要があり、思った以上に労力がかかる場合もあります。
場合によってはそれでストレスを抱えてしまう方も多く、そういった側面を考慮すると自身の持ち分のみを売却する手段が最適と言えるでしょう。
不動産の分割請求は時間も費用もかかるため注意
分割請求も共有名義不動産では使われますが、時間も費用もかかることは知っておくべきです。
なお分割請求は先ほども説明した通り、「現物分割」「代償分割」「換価分割」のパターンどれかで分割されます。換価分割の場合だと不動産を競売にかけて現金化することもあるので、相場より低い金額になる可能性もあります。
また分割請求は共有者で話がまとまらず訴訟に発展するケースが多く、その場合は1年ほど解決までに時間がかかりますので、その期間中は常に結果がどうなるか不安を抱えるリスクがあります。
他の共有者と一度話し合いをすることもおすすめ
まずは共有者に処分したい旨は相談しておく事をおすすめします。
共有者も処分したいと考えているならば、不動産を売却するという手段も取れますし、後にトラブルに発展する可能性も低いでしょう。
何も言わず放棄するといった手段を取っても、後の登記申請作業などで共有者に協力してもらう必要があります。
トラブルなく処分を行うためにも、まずはお話し合いの場は設けておくべきでしょう。
まとめ
共有持分の処分方法を改めて紹介します。
- 共有持分を共有者に売却する
- 共有持分を第三者に売却する
- 共有持分を放棄する
- 共有持分を贈与する
- 不動産全体を売却する
- 不動産を分割して処分する
方法はいくつかありますが、いち早く処分したい場合、共有持分を共有者に売却できなさそうであれば第三者に売却する方法を選ぶことをおすすめします。
現金化できる方法であり、共有者と連携して色々手続きをする必要もないため処分方法としては楽でしょう。
なお共有持分の売買を専門としている業者に依頼することで買取先も早くに決まりますので、専門業者の利用をおすすめします。
弊社も共有持分の問題解決に注力をしておりますので、まずはお気軽に現状の状態などご相談ください。
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