はじめて - よくあるトラブル 2024.04.02

再建築不可物件の救済措置とは?43条但し書き申請の詳細も解説!

再建築不可物件は建て替えができないため、一度取り壊してしまうと活用の余地がありません。

しかし、そのような再建築不可物件にも再建築が可能となる救済措置があります。

この記事では再建築不可物件における救済措置の種類とその詳細をくわしく解説します。

再建築不可物件の救済措置

再建築不可物件を再建築可能とする救済措置は、主に下記の3点です。

43条但し書き申請

1つ目は43条但し書き申請です。

再建築不可物件は、4m以上の幅を持つ道路に2m以上接している必要がある接道義務を果たしていないことが原因で再建築が不可とされています。

しかし接道義務を満たすことができない、やむを得ない理由があるときは「43条但し書き申請」を行うことで再建築が認められる場合があります。

なお43条但し書きを申請するうえで、下記2点の基準が設けられています。この2点について、詳細を確認しておきましょう。

包括同意基準

そもそも43条但し書きの申請では、申請許可の対応を迅速に行うため、あらかじめ建築審査会において取り扱う基準のことです。

一定の基準を満たしている接道義務違反の物件に対しては、比較的早く申請が通ります。

ただし注意点として、自治体によって基準は異なります。そのため、とある自治体では申請が通る内容でも、違う自治体であれば申請が通らないといったケースもあります。

包括同意基準については、各自治体のHPもしくは役所で確認を行っておくことが最適です。

個別同意基準

個別同意基準とは、包括同意基準に適合しない場合に個別に建築審査会の同意を求める基準となります。

ただし包括同意基準に適さない条件のため、申請が通るかどうかは不明です。また手続きも煩雑なため、実際に使われることは少ない方法となります。

道路の位置指定の申請

2つ目は、道路の位置指定の申請です。

再建築不可物件とされる物件の中には、4m以上の幅を持つ道路に面している物件もあります。しかし建築基準法の道路とみなされていないことが要因で、再建築不可物件となっているケースがあります。

そこで行うことが、道路の位置指定の申請です。

道路の位置指定の申請を行い、役所から建築基準法上の道路と認めてもらえれば、再建築は可能となります。

ただし注意点が2つあります。1つ目は、申請する道路に関与する住人全員からの承諾を得る必要があることです。2つ目は市役所へ支払う費用がかかることです。

上記2点の注意事項も含めて市役所の担当課に行って事前に要件を把握しておきましょう。

隣地の賃貸もしくは購入

3つ目は、隣地の賃貸もしくは購入です。こちらについては救済措置というより再建築可能な条件を満たすための方法になります。

繰り返しですが、再建築不可物件は4m以上の幅を持つ道路に2m以上接している必要がある「接道義務」を果たしていないことが原因で再建築が不可とされています。

そこで隣地を借りる、もしくは購入することで、この条件を満たすのです。

よくある例としては、4m以上の幅を持つ道路に接してはいるが、接する間口が1.5mほどしかなく、再建築不可物件となっている事例です。この場合、隣地の0.5m分を賃貸もしくは購入することで間口を2m以上とすることで、接道義務を果たすことができます。

ただし当然ですが、隣地の賃貸および購入には、隣地を所有する人の許可が必要です。交渉次第ではありますが、断られる可能性も十分あるため、必ず実施できる方法ではないことは理解しておきましょう。

建築基準法第43条但し書き規定について

ここからは建築基準法第43条但し書き規定について、詳しく説明します。

そもそも43条但し書き申請は、接している道路が建築基準法上の道路でない場合に用いられます。

簡単にまとめると、下記3点が満たされる場合に、接道義務を果たしていなくても、但し書き規定の申請が通ります。

  • 周囲に広い空地を有する
  • 建築審査会の同意を得て許可されている
  • 特定行政庁が交通上・安全上・防火及び衛生上支障がないと認める

第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201

但し書き申請の流れ

但し書き申請の流れも紹介します。

事前協議の準備

43条但し書きの許可については協議が行われるため、協議に必要な書類の準備を行います。

必要となる書類は主に下記です。

  • 公図
  • 現況写真
  • 事前協議書
  • 建築計画概要書
  • 登記事項証明書

自治体によって必要な書類等は少し異なりますので、自治体のHPもしくは役所で必要書類の確認をしておきましょう。

事前協議

用意した書類を基に、自治体の職員が43条但し書きの許可を出せるか現地調査を含め協議を行います。

なお協議の期間は約2週間から1ヶ月ほどで、少し時間を要することは念頭に置いておきましょう。

許可申請の準備

協議の結果、許可できる旨の回答をもらえたら許可申請の準備をします。

許可申請

ここでは「包括同意基準」および「個別同意基準」に基づき、建築審査会・特定行政庁により審議が行なわれます。

包括同意基準を満たす内容であれば、許可申請は比較的迅速に終わります。

許可通知

許可申請が完了しましたら、最後に許可通知書が交付されます。

ここまで完了したら、建築確認申請を通して再建築が可能となります。

まとめ

再建築不可物件の救済措置を再度まとめます。

  • 43条但し書き申請
  • 道路の位置指定の申請
  • 隣地の賃貸もしくは購入

なお43条但し書き申請について、申請しても許可が降りない場合はもちろんあります。

そのため、再建築不可物件の扱いにお悩みの場合は、専門の買取業者に買取依頼することも1つの手段でしょう。

なお弊社は、再建築不可物件のような一般的な不動産とは違う、扱いが困難な不動産の取り扱いを熟知しております。

弁護士や税理士など各業界の専門家と連携して、依頼者様にとって最適なご提案をしておりますので、お困りの点がある場合はまずはお気軽にご連絡ください。

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