もっと知りたい - 訳あり物件の賃貸や活用 2024.10.23
再建築不可物件はどこまでリフォームできる?補助金情報や注意点も解説!
建て替えができないと言われる再建築不可物件ですが、リフォームも同様に実施できない場合があることはご存知でしょうか。
しかしリフォーム内容によっては実施可能であり、この記事ではその線引きについて詳しく説明します。
なお再建築不可物件でリフォームを行う前に確認しておくべき注意点もいくつかありますので、その点も把握しておくことをおすすめします。
この記事の目次
前提:再建築不可物件はリフォームできない場合がある
再建築不可物件では、建築確認申請が必要なリフォームは実施できません。
そのため再建築不可物件のリフォームについては、「実施できるケース」と「実施できないケース」に分類されます。
建築確認申請とは
建築確認申請とは、新築工事や大規模な増改築工事等の着手前に、建築基準法や条例に適合しているか確認を受ける申請です。違法建築物でないかどうかを確認します。
そもそも再建築不可物件は、建築基準法第42条にある「接道義務」が満たされていない物件を主に指します。
建築基準法が定められた1950年以前に建築された建物について、現状維持のためのリフォームをするのは問題ありませんが、リフォームの種類や規模感次第では、新たな改築は認められません。
再建築不可物件はどこまでリフォームできる?
再建築不可物件で「リフォームできるケース」と「リフォームできないケース」のそれぞれを詳しく説明します。
リフォームできるケース
リフォームできるケースは、下記2点を満たしている場合です。
- 10㎡未満
- 主要構造部1/2未満の修繕
修繕範囲が10㎡未満、もしくは「柱・床・壁・屋根・階段」などの主要構造部1/2未満の修繕である場合は建築確認申請が不要となります。
そのためキッチンや浴室など部分的なリフォーム自体は可能です。
しかし注意点があります。建物のある地域が「防火・準防火地域」に指定されている場合、10㎡未満の修繕であっても建築確認申請が必要となります。つまりリフォームは実施できないと考えるべきでしょう。
なお建物のある地域が防火・準防火地域であるかを調べるには、ネットで「地域名+防火地域(もしくは準防火地域)」と検索すればわかります。役所で聞く場合は、都市計画課や建築指導課、まちづくり推進課といった課に尋ねると教えてもらうことができるはずです。
なお防火地域・準防火地域は、主に以下の定義で定められています。
防火地域
- 住宅密集地
- 主要幹線道路沿い
- 都市の中心的な商業地
準防火地域
- 防火地域の周辺部
リフォームできないケース
リフォームできないケースは、先ほど紹介した条件を満たしていないケースで、詳しく分類すると下記のような例です。
- 改築
- 移転
改築は新たに建物を建造する工事のため、建築確認申請が必要となります。そして再建築不可物件であれば申請は通らないため、実施は不可となるのです。
再建築不可物件でリフォームを可能にする方法
ここからは、再建築不可物件でもリフォームを可能にする方法を紹介します。
隣地を買う・借りる
1つ目は、隣地を買う、もしくは借りる方法です。
そもそも再建築不可物件となっている理由は、接道義務を果たせていないことにあります。接道義務とは簡単に説明すると、4m以上の道路幅があり、その道路に2m以上接している必要があることです。
そして通路との接道面が2m未満の場合、隣地を買う、もしくは借りることで接道面を2m以上にして、接道義務を果たすことができます。つまり建築確認申請が必要なリフォームも建替えも実施が可能となるのです。
しかし隣人が、隣地の一部の売却もしくは一時的な賃貸を許可してくれることは稀なので、あまり期待できる方法ではありません。
セットバックを実施する
2つ目はセットバックを実施する方法です。
セットバックとは、所有する敷地の一部を後退させる方法を指します。仮に接道する道路幅が4m未満である場合、セットバックを実施することで道路幅を4m以上にすることが可能となります。
そのため接道面は2m以上であるが、道路幅が4m未満である場合はセットバックにより再建築不可物件の条件から外れ、リフォームの実施が可能になるケースがあります。
ただし、セットバックを行ったからといって必ずしも再建築が可能になるわけではありません。周辺の状況や条件に依存する傾向がありますので、まずは不動産会社などプロに相談することが最適です。
なお弊社でも再建築が可能かどうか調査できますので、調査をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
43条の但し書きの適用を申請する
3つ目は、但し書きの適用を申請する方法です。
下記の建築基準法43条2項2号の内容が認められれば、接道義務の条件を満たしていなくても再建築が可能となります。
その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
たとえば、大きな公園などの空き地に隣接しているなど、国土交通省が定める基準に適合する建築物なら、自治体が建築審査会の同意を得ることで建て替えが認められます。
申請しても認められない場合もありますが、このような方法があることを把握しておいて損はありません。
再建築不可物件でリフォームする際に知っておくべきこと
最後に、再建築不可物件でリフォームする際に知っておくべき情報をまとめます。
想定以上に費用がかかる恐れがある
再建築不可物件でのリフォームは、一般的な建物のリフォームと比べ多額の費用がかかる傾向にあります。
というのも、道路幅が狭い場合が多く運搬に必要以上のコストがかかってしまったり、耐震基準を満たすために耐震補強をおこなったりする等、想定外な部分で費用が発生してしまう恐れがあるためです。
再建築不可物件を購入する上で、リフォームを行うことで新築物件より安く、かつ住みやすい住宅にしたい考えがある方も多いでしょう。
しかし状況次第では新築物件以上に費用が発生する恐れもありますので、事前にリフォームにかかる費用の簡易的な見積もりは実施しておくべきでしょう。
リフォームの際に活用できる補助金について
リフォームを行う際に、再建築不可物件の耐震補強工事に対して、工事金額のうち何割か補助してもらえる制度があります。
他にもリフォーム関連の補助金はあり、下記は1つの例です。
補助金名称 | 内容 | 補助金額 |
---|---|---|
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 耐震等、既存住宅の長寿命化が実現できる工事内容 | 最大250万円 |
先進的窓リノベ事業 | 窓の断熱性能を向上 | 上限200万円 |
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業 | 一次エネルギー消費量を抑えられる給湯機器の導入 | ヒートポンプ 5万円 等 |
県・市町村が独自に実施している補助金 | 耐震診断・耐震改修など、自治体ごとにさまざまな補助金制度を実施している | 各自治体のホームページ参照 |
補助金の内容や対象となる条件は自治体によって異なりますので、詳しくは「リフォーム 補助金 (地域名) 」などで検索することをおすすめします。
中古戸建ての場合はフルリフォームが可能である
リフォームを行うためには、建築確認申請が不要となる下記2点を満たす必要があるとお伝えしました。
- 10㎡未満の修繕
- 主要構造部1/2未満の修繕
しかし中古戸建ての場合で、「木造・2階建て以下・床面積500㎡以下」の条件下であれば、建築確認申請が不要のためフルリフォームが可能となります。
しかし木造である場合はリフォームができる可能性が高いため、条件に該当するか確認することをおすすめします。
まとめ
再建築不可物件でリフォームできるケースは、基本的に下記2点を満たしている場合です。
- 10㎡未満の修繕
- 主要構造部1/2未満の修繕
上記以外についてはリフォームの実施が難しく、隣地の買取や賃借などをまず先に検討する必要があります。
ただし隣地の買取やセットバックなどは簡単に実施できるものでもありませんので、再建築不可物件の売却も手段の1つとして検討しても良いでしょう。
なお弊社は再建築不可物件のような売却のしにくい不動産に注力をしております。法律関係が難しい不動産ですが、弊社では弁護士や税理士といった各業界の専門家と連携しているため、ご相談者の方にとって最適なご提案が可能です。
ご相談については常に承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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