
もっと知りたい - 放棄する方法はあるの 2024.05.22
空き家を処分する最もおすすめの方法とは?適用できる補助金についても解説
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空き家は、所有するだけで固定資産税や管理費などがかかるため、早く処分したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
もし空き家を適切に管理せずに放置していると、固定資産税や都市計画税が上がる可能性があるので、不要であれば早めに手放すのがおすすめです。
この記事では空き家を処分する方法や、処分せずに放置するデメリット、処分にかかる費用を一部負担してもらえる補助金などについて解説します。
この記事の目次
空き家を処分する方法
空き家を処分する方法は、次の6つです。
売却する
空き家を処分する方法として、最も一般的なのが売却です。売却には次の3つの方法があります。
- そのまま売却
- 更地にして売却
- リフォームして売却
3つの中でも、そのまま売却する方法がおすすめです。というのも、解体費用やリフォーム費用などの出費を抑えられるからです。
また、更地にすると住宅用地特例の適用外になるので固定資産税が上がってしまい、もし買い手が見つからず所有し続けることになれば、経済的な負担が増大してしまいます。
売却にかかるコストやリスクを考慮すると、まずは空き家はそのままで売却を試みるのが良いでしょう。
寄付する
2つ目は、空き家を自治体やNPO法人に寄付する方法です。しかし、空き家の寄付を受け入れてくれる可能性は低いと考えておいた方が良いでしょう。
自治体は固定資産税が重要な財源であり、寄付を受け入れると税収の減少に繋がります。そのため減少する税収に対して、空き家に十分な利用価値がなければ寄付は基本的には受け入れられません。
NPO法人も同様で、空き家は管理にコストがかかるので活用できない空き家は受け入れられない傾向にあります。
また、「寄付を受け入れられる=有効活用できる」ということなので、必然的に売却でも買い手が現れる可能性が高いです。
無償譲渡する
どうしても空き家を処分したい場合、無料で譲渡する方法もあります。しかし、寄付と同様に譲渡される側にメリットがないと引き取ってもらえません。
なぜなら、空き家の所有には固定資産税や管理費といった経済的な負担がかかるからです。そのため、どうしても売れなかったときの最終手段として、考えておくと良いでしょう。
相続放棄する
相続によって所有することになった場合は、相続放棄で空き家を手放すのも一つの方法です。しかし、相続放棄で「空き家だけ」を放棄することはできず、すべての財産の相続権を放棄しなければいけません。
したがって、借金などの負債がなく他に相続したい財産があるなら、一旦空き家を相続してから売却するのがおすすめです。
相続放棄をすると次の順位の相続人が空き家を相続することになるので、放棄するときは相続人間で相談して、揉めごとにならないように注意しましょう。
国に返還する
相続の場合は、空き家を解体して更地にすれば相続土地国庫帰属制度を利用できる可能性があります。相続土地国庫帰属制度とは、相続によって所有することになった不要な土地を国に返還できる制度です。
ただし、相続土地国庫帰属制度を検討する前に他の処分方法を検討した方が良いでしょう。というのも、この制度を利用するには10年間の標準的な土地管理費を納めないといけないからです。
相続国庫帰属制度については、下記の法務省のホームページで確認できます。
»参考:法務省「相続国庫帰属制度について」
空き家バンクを活用する
どうしても空き家を処分できなかった場合は、空き家バンクに掲載して買い手を探しましょう。空き家バンクとは、空き家の売主と買主をマッチングさせるサイトです。
空き家バンクに掲載しておけば、買い手を探している途中、あるいは寄付や無償譲渡先を探している途中で購入希望者が現れるかもしれません。
しかし、運営は売買の仲介に関与しないため、双方で手続きを進めなければならない点に注意してください。
空き家を処分しないと生じるデメリット
空き家を放置するデメリットは、以下の5つです。
出費が膨らむ
空き家は所有するだけで、固定費がかかるので早めに処分した方が良いです。固定費には、固定資産税や都市計画税、空き家の管理費などが含まれます。
特に「特定空き家」に指定されると、固定資産税や都市計画税が上がる可能性があるため、さらに支出が膨らんでしまいます。「特定空き家」とは、家等対策の推進に関する特別措置法において、以下に該当する空き家のことです。
この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
したがって、不要な空き家は放置せずに、売却や無償譲渡などで早めに手放すのがおすすめです。
税制優遇がなくなる
相続によって空き家を所有した場合、3年以内に売却しないと売却益にかかる税金の優遇措置を受けられなくなります。相続した空き家の売却に関わる税制優遇については、後述の「空き家の処分で受けられる補助金・助成金・税制優遇」で解説しています。
簡単に言うと、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる制度です。相続した空き家の売却を考えている方は、早めに不動産会社に相談しましょう。
売却価格が下がっていく
空き家は放置すると売却価格が下がるので、売却を考えているのであれば早めに対応した方が良いです。というのも、人が住んでいない家は老朽化が早いからです。
人の出入りがないと、定期的に換気や掃除がされないので湿気が溜まりやすくなってしまいます。そのため、放置し続けると更地にしないと売れないくらい老朽化してしまいます。
さらに、更地にすると住宅用地特例の適用外となり固定資産税が上がってしまうため、どちらにしても売却したいのであれば、早めに手続きを行った方が良いでしょう。
子や孫世代に負担がかかる
空き家を放置してしまうと、自身が被相続人になったときに子どもや孫の世代に負担がかかってしまいます。
空き家の相続税がかかるだけではなく、活用できない場合はその処分に追われることになります。管理費の負担だけではなく、老朽化が進み「特定空き家」に指定されれば固定資産税が上がるので、相続人にさらに経済的な負担がかかるケースが多いです。
空き家を処分せずに放置すると、結果的に負の遺産を残すことになるので、不要な空き家は早々に処分しましょう。
トラブルが法的な問題に発展する
もし、空き家の管理を適切に行わずに放置すると、以下のようなトラブルが発生し法的な問題に発展する可能性があります。
- 害虫や害獣などの被害が近隣住民に及ぶ
- 不法投棄や犯罪の現場として利用される
- 倒壊で近隣に被害が出て損害賠償請求される
どれも法的責任を負わなければならない可能性があるので、遠方に住んでいるなどで空き家を適切に管理できないのであれば、早めに処分することをおすすめします。
空き家を処分できないときの対処法
空き家を売却できない、または処分できないときの対処法は次の3つです。
空き家を更地にして売却する
空き家をそのまま売れない場合は、更地にしてから土地として売却する方法がありますが、基本的にはおすすめできません。というのも、更地にすると住宅用地特例の適用外になるからです。
住宅用地特例から外れると固定資産税が最大6倍、都市計画税は最大3倍になる可能性があります。そのため、もし更地にしても売れなかった場合、上がった税金を払い続けなければいけません。
したがって、「空き家の売却の条件として更地にする」など、購入希望者がいる状態で行った方が良いでしょう。住宅用地特例については、下記の大阪市のホームページで詳しく解説されています。
»参考:大阪市「住宅用地の課税標準の特例措置」
空き家をリフォームして売却する
空き家が老朽化して売れない場合は、リフォームしてから売却するのも一つの対処法です。しかし、リフォームして売却できるかどうかは空き家の立地によります。
というのも、立地が悪いとリフォームしても買い手が付かないからです。例えば、市街地までのアクセスが悪く、近隣に商業施設がない場合は、リフォームし住宅として売却するのは難しいでしょう。
そのため、リフォームして売却するのであれば、空き家の立地条件に着目して検討してみてください。
売却価格を相場よりも低く設定する
どうしても買い手が付かないときの最終手段は、売却価格の調整です。立地が悪い、または過疎化が進んでいる地域は、一般的に買い手が付きにくいので売却価格を下げる必要があります。
しかし、売却価格を下げすぎると、購入希望者にいわく付き物件と思われる可能性があるので不動産会社と相談して慎重に決めましょう。
また、すでに不動産会社に相談しているのであれば、他の不動産会社に相談してみるなども有効な手段と言えます。
空き家を処分するときに費用がかかるケース
空き家をそのまま売却・処分する場合でも、費用がかかります。ここでは、以下の2つのケースに分けて処分にかかる費用について解説します。
空き家を解体する場合
空き家を解体して更地にする場合は、解体費用がかかります。空き家の解体費用は、150万円ほどが相場です。
しかし、間口が狭く重機が入りにくい空き家の場合は、通常の工事よりも工数や人件費がかかるので解体費用が高くなる傾向にあります。
また、更地にすると固定資産税が上がるので、固定資産税が確定する1月1日以降に解体し、1年以内に売却するのがおすすめです。
空き家に家財道具が残されている場合
空き家に家財道具が残されている場合は、処分費用がかかります。家財道具の処分方法は、下記の2つです。
- 自身で処分する(家庭ごみ)
- 業者に依頼する(産業廃棄物)
できるだけ費用を抑えたいのであれば、自身で処分しましょう。自身で処分すれば、家財道具は「家庭ごみ」に分類されるので費用を抑えられます。
一方で業者に依頼すると、家財道具は「産業廃棄物」に分類されるので、処分費用が高くなる傾向にあります。特にがれき類やガラス陶磁器くず、タイルに分類されれば1立方メートルあたり25,000円ほどかかるケースも多いです。
したがって、空き家の処分を急いでいないのであれば、手間はかかりますが自身で処分した方が良いでしょう。
空き家の処分で受けられる補助金・助成金・税制優遇
空き家の処分には費用がかかりますが、補助金などが利用できる可能性があります。ここでは、空き家の処分で受けられる補助金・助成金・税制優遇について解説します。
補助金
空き家の処分で受けられる補助金は各自治体によって変わるので、お住まいの自治体ホームページを確認してみてください。
例えば、大阪市の「建替建設費補助制度(集合住宅への建替え)」では以下の項目で補助金が受け取れます。
- 設計費の補助率:2/3以内
- 解体費等の補助率:2/3以内
- 共同施設整備費の補助率:2/3以内
補助金制度は知っておくだけで経済的な負担を削減できるので、空き家を処分する前に確認しておきましょう。
助成金
補助金の他にも、空き家を処分するときの「助成金」も各自治体によって用意されている可能性があります。なお、補助金と助成金は管轄する省庁が異なるだけで、おおよそは同じです。
助成金の例として大阪市の「大阪市防災空地活用型除却費補助制度」では、上限が戸建住宅で100万円、集合住宅で200万円の助成金があります。
助成金の上限や種類については、お住まいの自治体ホームページを確認してみましょう。
税制優遇
相続した空き家を売却して手放す場合、相続して3年が経つ年の12月31日までであれば、税制優遇を受けられる可能性があります。
具体的には「収入金額ー(取得費+譲渡費用)ー特別控除額」で計算される課税譲渡所得金額から、最大で3,000万円控除ができる制度です。控除の適用条件は、以下の通りです。
(1)売った人が、相続または遺贈により被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を取得したこと。
(2)次のイ、ロまたはハの売却をしたこと。
イ 相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋を売るか、被相続人居住用家屋とともに被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。
ロ 相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。
(3)相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(4)売却代金が1億円以下であること。
(5)売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(6)同一の被相続人から相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと。
(7)親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
詳しくは、下記の国税庁公式ページで確認できます。
»参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
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まとめ
立地が良く有効活用できる空き家であれば、売却による処分は比較的簡単に行えます。しかし、立地が悪いまたは再建築不可物件も場合は、売却するのは難しいです。
そのため、寄付や無償譲渡、相続の場合は相続放棄によって手放す方が多いです。また、放置し続けると、法的なリスクや固定資産税が上がって経済的な負担が大きくなる可能性があります。
弊社ではなかなか買い手が見つからない難処分物件の取り扱いにも注力しておりますので、空き家を放置してトラブルになる前にぜひご相談ください。
税理士・弁護士・行政書士などの司法関係者や一級建築士とも連携して、売却を進めてまいりますので安心してご利用いただけます。
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